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輸液製剤協議会

よくある質問・用語解説

よくある質問

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1日を超えて2~3日微量持続点滴をしてよいか?という現場の質問が多い。「24時間」を病院原則として回答しているが、共通Answerはありませんか?

隔壁開通後、使用開始後、針刺し後の安全性に関して、具体的に24時間を境に衛生上の問題が発生する場合もあるようですが、輸液を含めた注射剤の使用を24時間以内と限定する資料は見当たりません。
しかしながら、低速長時間投与の場合は、流速が遅いことによる血栓形成のリスク、感染のリスク、静脈炎や血管外漏出などのリスクが高まることを危惧し、24時間を超える輸液の微量持続点滴投与は避けていただくことを推奨します。

《詳細説明》
『医療機関における感染制御に関する研究 医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引き(案)更新版(平成25年度厚生労働科学研究費補助金事業)』では、「病棟環境の整備・衛生管理」の「6 病棟における薬剤混合の仕方と保存方法」の6.8に「TPNなどの高カロリー輸液製剤は、混合時間を含め28時間以内に投与を終了する」との記載があり、また、同手引きの「カテーテル関連血流感染対策」の「1.15 輸液・薬剤の管理」の1.15.5に「高カロリー輸液製剤は混合時間を含め28時間以内に投与が完了するように計画する。保存する必要がある場合には無菌環境下で調製し、冷蔵庫保存とする。」と記載されています。以上より、使用開始以降は24時間が一つの目安になるものと考えております。
また、輸液の細菌汚染およびその調剤場所が検討されております資料につきましては、『土井まつ子ほか,環境感染 20(3),178,2005』、 輸液中に細菌が混入した場合の細菌の増殖動向を検討した資料としては、 『白石正ほか,環境感染 22(3),165,2007』がございます。これらの資料では、院内の輸液に細菌の混入がみられること、6時間では細菌の増殖はみられないが、24時間では細菌の増殖がみられることが記載されております。